中部横断自動車道【未事業化区間の現状は?】

今回は中部横断自動車道について、山梨県と長野県のWeb資料及び、Wikipediaの情報をもとに検討します。

<概略>

 中部横断自動車道は、静岡市清水区の新清水ジャンクションから長野県小諸市の佐久小諸ジャンクションに至る総延長約132キロメートルの高速道路いわゆる高速自動車国道です。略称は中部横断道で、高速道路ナンバリングによる路線番号は、新東名高速道路清水連絡路の全線および中央自動車道との重複区間である双葉ジャンクションから長坂ジャンクションを含めて、「E52」が割り振られています。日本列島の中心線を横切る方向に走っているため、道路名は「横断道」を名乗ります。

 国土開発幹線自動車道の予定路線としては、起点は静岡市、終点は佐久市で、主たる経由地は山梨県南アルプス市付近とされています。また、全区間が高速自動車国道の路線に指定されており、主要な経過地は、山梨県南巨摩郡身延町、同郡富士川町、南アルプス市、甲斐市、韮崎市、北杜市、長野県南佐久郡佐久穂町、佐久市、小諸市とされています。山梨県甲斐市の双葉ジャンクションから同県北杜市の調査中の長坂ジャンクションまでは中央自動車道と重複しています。また、双葉ジャンクションから南アルプス市の南アルプスインターチェンジの区間は山梨県の地域高規格道路である新山梨環状道路の西部区間にも指定されています。

 上信越自動車道と接続し太平洋側の静岡県静岡市と日本海側の新潟県上越市を結ぶ路線と位置付けられており、同道の佐久小諸ジャンクションから上越ジャンクション間と合わせて、「中部日本横断自動車道」と呼ばれることもあります。2023年4月現在、新清水ジャンクションから双葉ジャンクション間および八千穂高原インターチェンジから佐久小諸ジャンクション間が開通しています。富沢インターチェンジから六郷インターチェンジ間と、八千穂高原インターチェンジから佐久北インターチェンジ間は新直轄方式で建設されており、無料区間となっています。今回は、未事業化区間の長坂ジャンクションから八千穂高原インターチェンジ間を中心に、確認します。

<結論>

・区間内で行われている事業は、仮称両河内SIC設置のみ。

・未事業化区間の長坂JCTから八千穂高原IC間は計画段階評価手続き中となっている。

<区間の概略>

起点:静岡県静岡市清水区(新清水ジャンクション)

終点:長野県小諸市(佐久小諸ジャンクション)

新清水JCT – 富沢IC:暫定2車線 最高速度70 km/h 有料

富沢IC – 六郷IC:暫定2車線 最高速度70 km/h 無料

六郷IC – 双葉JCT:暫定2車線 最高速度70 km/h 有料

長坂JCT – 八千穂高原IC:未開通

八千穂高原IC – 佐久小諸JCT:暫定2車線 最高速度70 km/h 無料 

白根ICから双葉JCT間は4車線化優先整備区間に指定されています。

<事業中のインターチェンジ>

 両河内スマートインターチェンジは、静岡県静岡市清水区において事業中の中部横断自動車道のスマートインターチェンジで、名称は仮称となっています。本線直結型で建設され、利用可能車種はETC搭載の全車種(車長12 m以下)で24時間運用、上下線ともに出入可となる予定です。

<未事業化区間の見通し>

 長坂JCTから佐久小諸JCT間は、八千穂高原IC以北が整備済みであるのに対し、長坂JCTから八千穂高原IC間は基本計画区間のまま中部横断道唯一の未事業化区間として残っており、同道全線開通の目途は未だに立っていません。2010年12月以降、7回に及ぶ社会資本整備審議会の関東地方小委員会や地元意見交換会と、2012年から2013年にかけて行われた3回のワーキンググループでの議論を経て、2015年4月9日には対応方針の決定に至りましたが、その後も道路建設の是非やルート帯に関する様々な意見が対立して、暫く膠着状態が続いていました。

 このような状況に対し、山梨、長野の両県では沿線自治体や商工会議所、観光協会などの業界団体が再三に渡って県知事への整備促進を陳情しており、これらを踏まえ当時の山梨県知事であった後藤氏と長野県知事であった阿部氏は2016年5月23日に石井啓一国土交通相を訪ね、早期事業化への要望を行いました。これに対し石井国交相は、整備計画に前向きな考えを示しつつも、沿線の一部住民らが道路計画への反対と、社会資本整備審議会における計画段階評価の再審議を求めている状況を踏まえ、「住民の理解が得られるかが課題」と注文を付けていました。

 2017年9月21日に、国土交通省長野国道事務所や長野県建設部、沿線自治体担当部課らで構成される1回目の「中部横断自動車道(長坂〜八千穂)長野県区間に係る計画調整会議」が開催され、既に決定済みの対応方針のおさらいと、その後の地元意見集約結果を発表、それらを踏まえ、長野県区間でのルート帯案とインターチェンジの概略位置決定の考え方に関する方針が確認されました。

 2018年7月11日の第2回同会議では、同年4月25日に南牧村より出された優良農地に関する要望等も踏まえた、長野県区間の1キロメートル幅のルート帯案と、より具体的なインターチェンジ設置位置が、国土交通省長野国道事務所より提示され、合意に至りました。これらの会議結果を基に、国土交通省は2019年6月28日に、環境影響評価の方法書を山梨・長野の両県に提出。これを受けて県や自治体では、今後都市計画の決定と、環境影響評価に関する手続きが進められることになり、事業化前の最終関門となる新規事業採択時評価に向けて、大きく前進しました。

<まとめ>

・新東名から中央道に至る区間は、全線暫定2車線で開通済み。

・白根ICから双葉JCT間は4車線化優先整備区間に指定されている。

現在区間内で行われている事業は、仮称両河内スマートインターチェンジの設置のみ。

・長坂JCTから八千穂高原IC間は基本計画区間のまま中部横断道唯一の未事業化区間として残っており計画段階評価手続き中となっている。

―以上―

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