東京メトロ有楽町線の分岐線【豊洲~住吉間】

 今回は、2022年8月に都市計画素案が公表された東京都市計画都市高速鉄道第8号線、東京メトロ有楽町線の分岐線(豊洲~住吉間)計画及び豊洲駅改良計画について、東京都建設局のHP資料及びWikipediaの情報を基に検討します。

<概略>

 東京都市計画都市高速鉄道第8号線、東京メトロ有楽町線の分岐線(豊洲~住吉間)計画は2022年1月8日に、延伸に向けた作業が同年4月から本格的に始まる見通しとなりました。東京メトロは2022年1月28日に豊洲 – 住吉間約4.8 kmの鉄道事業許可を国土交通大臣に申請し、同年3月28日に第一種鉄道事業の許可を受けました。開業時期は2030年代半ばで、事業費は約2,700億円を予定しています。補助金が約1,700億円、財政投融資資金から約1,000億円を見込んでいます。

 住吉駅以遠は押上駅を経由し、八潮駅、越谷レイクタウン駅を経由して野田市までの延伸も検討されていますが、現在のところ構想段階であり、運輸政策審議会答申第18号では「2015年までに整備着手することが適当である路線」と位置付けられましたが、事業化の目途は立っていません。住吉駅から押上駅までは、半蔵門線の一部として既に営業しています。

<結論>

・用地取得面積が小さく、用地取得のハードルは低いとみられる。

・折り返し施設の無い住吉駅での折り返し方法が注目される。

<延伸区間>

計画区間:江東区豊洲三丁目から江東区住吉二丁目間

路線距離:約5.2km

都市計画変更区間:江東区豊洲四丁目から江東区住吉二丁目間(約4.9km)

軌間  :1,067mm

新設駅数:3駅(仮称)枝川駅(豊洲起点1.250 km)、(仮称)東陽町駅(豊洲起点3.070 km)、(仮称)千石駅[注 21](豊洲起点4.180 km)

複線区間:全線

電化区間:全線(直流1,500 V)

最高速度:80 km/h(設計最高速度の想定値)

地上区間:無し(全線地下)

<路線構造>

 豊洲駅付近と中間駅の区間は、地上から掘削する開削工法、駅間の走行区間は、駅から駅の間を横穴式に掘り進めるシールド工法を予定。豊洲駅から仮称千石駅までのそれぞれの駅間においては複線シールド、仮称千石駅から住吉駅までに至る駅間においては、住吉駅の地下3階と地下4階にそれぞれ接続するため、単線シールドを予定。

ほとんどの区間が公共用地の地下を通過するよう計画されており、用地取得が必要な面積は限られる。

<駅構造と配線>

 豊洲駅:相対ホーム1面及び島式ホーム2面4線、地下構造(相対ホームは新設)

 中間駅:島式ホーム1面2線、地下構造(新設)

 住吉駅:島式ホーム2面4線(それぞれ1線は半蔵門線で使用)、地下構造(既設)

・豊洲駅に新設されるホームは、既存改札エリア独立した改札エリアが設けられる。

・豊洲駅は有楽町線との直通運転及び折り返し運転が可能な構造だが、住吉駅の構造は折り返し施設を設けることは不可能であり、直通運転のみ可能とみられる。

・「とよすと」のニュース記事では、住民向け説明会の質疑応答で半蔵門線との相互直通運転計画は無いとの回答があったとされ、住吉駅でどの様に折り返しがなされるか不明。

<事業詳細>

・開業予定年次:2030年代半ば

・想定運行間隔:朝ラッシュ時:5分間隔

日中:7分30秒間隔

夕ラッシュ時:6分間隔

・運転回数:平日150回、土休日143回

・豊洲 – 住吉間の所要時間:9分35秒

・事業主体:東京メトロ

・事業費:約2,700億円(補助金:1,700億円、財政投融資:1,000億円)

・損益:単年度黒字、開業14年目

累積黒字、開業29年目

・資金収支:累積損益黒字化、開業29年目

累積資金黒字化、開業40年目

<まとめ>

・用地取得が必要な面積が小さいため、用地取得のハードルは低いとみられる。

・2030年代半ばの開業を目指している。

・折り返し施設の無い住吉駅でどの様に折り返しするかは、今後の検討課題とみられる。

-以上-

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