今回は、東京都市計画都市高速鉄道第7号線東京メトロ南北線の分岐線(品川~白金高輪間)計画に関する質問の回答を、東京都都市整備局から頂きましたので、その内容について確認します。
<概略>
東京都市計画、都市高速鉄道第7号線分岐線(東京メトロ南北線の分岐線)品川~白金高輪間について2022年7月1日公開の動画の通り、東京都都市整備局へ質問させていただきました。今回は、その質問に対する回答が東京都都市整備局から公表されましたので、その内容について確認していきます。東京都都市整備局のご担当者様には、ご回答いただきありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
東京都市計画、都市高速鉄道第7号線東京メトロ南北線の分岐線(品川~白金高輪間)計画は、白金高輪駅から東京メトロ南北線を延伸するため、南北線の既存折り返し施設を延伸するよう計画しています。過去の動画での検討をふまえ、交通インフラ研究所は、「延伸の起点を既存折り返し施設とした理由」と「桜田通りへの延伸の検討はどの程度実施したか」について東京都都市整備局に質問させて頂きました。今回は、回答いただいた内容について確認をしていきます。過去の検討詳細については、概要欄にリンクを張っておきますので、過去の動画をご確認頂けますと幸いです。
<結論>
・南北線の折り返し施設からの延伸としたのは、既存南北線への影響を最小限とするため。
・既存営業線に影響を与えないことを最優先とし、桜田通り延伸は棄却した。
<質問に対する回答>
Q1 計画ルートは、どう考えて設定したのか。最短ルートとすべきである。何故、白金台駅付近を経て遠回りし、高額な投資をするのか。
A1 東京メトロ南北線の分岐線計画については、起点となる品川駅(仮称)は他の鉄道路線との乗り換え利便性を確保するため、国道 15 号(第一京浜)の地下に配置し、終点側の白金高輪駅付近は既設の南北線の鉄道施設への影響を最小限とするため、目黒通りの地下に設置されている既設の留置線を活用することとしております。その間の計画ルートについては、道路下等の公共用地を通過することを基本とし、国道 15 号(第一京浜)と目黒通り、その両道路を結ぶ環状第4号線の道路空間を活用するよう計画したものです。
Q2 東京メトロ南北線の分岐線はなぜ国道1号(桜田通り)を通る最短ルートではなく、白金台駅・高輪台駅付近を経由する遠回りのルートになっているのか。留置線を使わず直線で結ぶことでコスト削減、工期短縮に繋がるのではないか。
A2 白金高輪駅付近については、既設の南北線の鉄道施設等への影響を最小限とするため、目
黒通りの地下に設置されている既設の留置線を活用することとしております。既設の留置線は、白金高輪駅から目黒方面に向かって目黒通り下に位置しており、現在南北線として営業している 2 本のトンネルの内側にあります。そのため、本路線のルートを国道1号方面とした場合、営業中のシールドトンネルに支障し、営業線を維持しながら工事することができないため、今回お示ししたルートとなっております。また、留置線を使わずに現在営業線として使用している外側のトンネルから分岐する場合におきましても、既設営業線の鉄道運行を維持しながら工事することができません。
<その他の質問と回答>
Q4 東京メトロ南北線の分岐線計画は、将来的に羽田空港に接続するのか。
A4 品川駅(仮称)から羽田空港方面への延伸計画はありません。
Q5 東京メトロ南北線の分岐線計画の時間軸について教えて欲しい。
A5 東京メトロ南北線の分岐線計画の時間軸は、関係機関との協議等にもよりますが、過去の事例を踏まえると、手続きが順調に進んだ場合、都市計画素案説明会から都市計画決定まで概ね2年程度を要すると考えております。
その後、事業者である東京メトロにおいて、工事に必要な手続きや工事説明会を実施し、概ね 1 年以内の工事着手を目指しております。東京メトロ南北線の分岐線は 2030 年代半ばの開業を目指して取組んでまいりますので、皆様方のご理解とご協力をお願いいたします。
Q7 住民の日常生活を考えるなら、白金台駅、高輪台駅を造るべきである。途中駅(白金台駅、高輪台駅)を造らない理由は何か。途中駅を造らない計画は、地域住民にとってメリットのない計画である。白金台駅、高輪台駅を造らないのは最終結論か。必要性や利便性が低いことは理解しているが、将来、設置可能な線形にすることはできないか。
A7 東京メトロ南北線の分岐線計画のルートについては、品川駅(仮称)における他の鉄道路線との乗り換え利便性の確保や白金高輪駅の既設の留置線の活用を踏まえたうえで、道路下等の公共用地を通過することを基本とするよう計画したものです。
白金台駅並びに高輪台駅付近に新規に駅を設ける場合は、既設の白金台駅や高輪台駅より下に駅を設けることになり、ホームは現在の駅よりも深い位置となるため、利便性の低い駅となることが想定され、また事業費が非常に高くなることが見込まれます。こうした観点などを踏まえ、白金台駅並びに高輪台駅は設置しないこととしております。
また、今回ご説明した都市計画素案は都市計画案の作成に先立って、計画の内容を地域の皆様へご説明しご意見を伺うために作成したものです。説明会等で出されたご意見を参考に、都市計画案を作成してまいります。
Q27 シールド工法による施工は、品川方、白金高輪方のどちらから掘進するのか。
A27 東京メトロ南北線の分岐線計画では品川方からの掘進を計画しております。
Q37 品川駅から白金高輪駅の延伸区間は、白金高輪駅から目黒駅間のように、都営地下鉄 との共用区間となるのか。 A37 品川駅(仮称)~白金高輪駅間の運行形態については、今後運行事業者間で調整の上、検討 してまいります。
Q44 都内ではかなり長い途中駅の無い地下区間だが、非常避難口や換気口など途中に設ける設備はあるのか。
A44 東京メトロ南北線の分岐線計画では中間部に新たな避難口や換気口を設ける計画はございません。なお、換気については、品川駅付近に換気塔を設置するとともに、既設の換気室を改良することで、対応する計画です。
<まとめ>
・南北線の折り返し施設からの延伸としたのは、既存南北線の鉄道施設への影響を最小限とするため。
・既存の営業線に影響を与えないことを最優先にした結果、桜田通り延伸は棄却された。
・品川駅から羽田空港方面への延伸計画は無い。
・2030年代半ばの開業を目指している。
・白金台駅、高輪台駅を造る計画は無い。
・シールドマシンは品川から発進する計画。
・運行形態については今後検討される。
・中間部に避難口や換気口を設ける計画は無い。
-以上-
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