今回は、三浦市内の主要幹線道路として整備が進められている、三浦縦貫道路と西海岸線について関係自治体のホームページ資料とWikipediaの情報を基に検討します。
<概略>
三浦縦貫道路は、神奈川県横須賀市衣笠町から、三浦市初声町下宮田に至る、神奈川県道26号横須賀三崎線のバイパス道路です。横須賀市と三浦市を結ぶ幹線道路であり、横浜横須賀道路と国道134号を連絡し、地域の幹線道路網を強化するものです。横須賀市衣笠町から同市林5丁目に至る1期区間4.7 kmは神奈川県道路公社が運営する有料の自動車専用道路であり、2000年3月に供用開始しています。この区間は、三浦サンサンラインの愛称があります。2期区間については、1期区間に続く約1.9kmを2期北側区間として2020年に供用開始しました。本路線の整備により、三浦半島地域の交通利便性の向上と、産業、経済、観光などの各分野における交流・連携機能を強化し、地域の活性化を図ります。
一方、西海岸線は県道26号の三崎港ロータリーを起点に、国道134号の三崎口駅付近を終点とする県道26号横須賀三崎線のバイパス機能を持つ都市計画道路です。計画決定後、起点付近から県道216号油壺線までの延長約3.1kmの区間は、幅員11mの道路として、県が整備を行いましたが、現在、市道35号線として市が管理しています。その先の未整備区間は、県が一部区間工事に着手しましたが、約40年間中断したままです。その後、2001年に小網代湾橋梁部付近を含めた未整備区間を三浦縦貫道路と直結するためのルート変更や幅員変更等の計画変更を行い、全体延長が約5.7kmと短くなり、現在の未整備区間延長は、約2.5kmとなっています。起点付近では、2007年より三崎水産物流通加工業務団地の用地販売が開始され、ここに直結する西海岸線の役割がますます期待されており、一日も早い整備が強く望まれています。2021年に神奈川県の黒岩知事が順調にいけば2023年度に西海岸線の事業着手ができる可能性を示唆しています。
<結論>
・三浦縦貫道路及び西海岸線の未整備区間は事業未着手。
・三浦縦貫道路よりも西海岸線の方が先に全線整備完了するものとみられる。
<三浦縦貫道路>
・起点:神奈川県横須賀市衣笠町
・終点:神奈川県三浦市初声町下宮田
・道路構造規格:一期区間(第1種第3級)、二期区間(第3種第2級)
・延長:一期区間(4.7km)、二期区間(4.4km)
・標準幅員:一期区間(10.5m)、二期区間(16.0m(暫定13.0m))
・設計速度:60km/h
・インターチェンジなど
三浦縦貫道衣笠入口交差点
衣笠IC
みうら縦貫PA(上り)
本線料金所
林IC
三浦縦貫高円坊入口交差点
池代交差点付近(施設名未定)
三崎口駅北側付近(施設名未定)
<西海岸線>
○整備済区間(1963年1月22日決定)
・道路区間:三崎5丁目~三崎町小網代
・道路規格:第4種2級
・延長:約3.1km
・標準幅員:11m
○未整備区間(2001年11月20日変更)
・道路区間:三崎町小網代~初声町下宮田
・道路規格:第4種1級
・延長:約2.5km
・標準幅員:17.5m
<三浦市の整備順位要望方針>
三浦市の整備方針は2009年に決定し、およそ20年後の2028年頃の事業完了を見込んでいたが、既に遅れが生じている。下記第1段階の整備は完了しているが、第2段階以降の事業は着手されていない。西海岸線については、周辺の自然環境の調査が完了し、2023年度の事業着手を目指す考えが、神奈川県知事の議会答弁により明らかになっている。
第1段階(供用済み)
・三浦縦貫道路〔未整備の2期区間;延長約 4.4km〕のうち、1期区間(2000年完成供用)に引き続く市道 14 号線及び 132 号線までの先行整備区間〔延長約 1.9km〕の新規整備
・ 国道 134 号初声小学校入口(市道 14 号線との)交差点付近〔延長約 0.3km 位〕の改良整備
第2段階(未整備)
・ 西海岸線〔未整備区間;延長約 2.5km〕のうち、起点の県道 216 号から、小網代湾を跨ぎ、市道 17 号線(通称御用邸道路)までの区間〔延長約 2.0km〕の新規整備
・国道 134 号三戸入口(市道 17 号線との)交差点付近〔延長約 0.3km 位〕の改良整備
第3段階(未整備)
・三浦縦貫道路〔未整備の2期区間〕のうち、先行整備区間〔延長約 1.9km〕に引き続く残区間〔延長約 1.0km〕の新規整備
・三浦縦貫道路2期区間と県道 214 号との新規接続区間〔延長約 0.3km 位〕の新規整備
最終段階(未整備)
・三浦縦貫道路〔未整備の2期区間〕のうち、最後に残る区間〔延長約 1.5km〕の新規整備
・西海岸線〔未整備区間〕のうち、最後に残る区間〔延長約 0.5km〕の新規整備
<まとめ>
・三浦縦貫道路及び西海岸線の未整備区間は、いずれも事業着手されていないため、全線の整備には、今後20年以上かかるとみられる。
・西海岸線は、周辺の自然環境の調査が完了し、2023年度の事業着手が見えてきた。
・三浦縦貫道路よりも西海岸線の方が先に全線整備完了するものとみられる。
-以上-
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