今回は、2022年9月17日に第1期エリアが開業予定のバスターミナル東京八重洲について、都市再生機構東日本再生本部プレスリリース、関係自治体のHP資料及びWikipediaの情報を基に検討します。
<概略>
東京駅八重洲口付近各所に分散している高速バスの停留所について、JRバスが発着する東京駅高速バスターミナルを除く8つを集約する計画が、2015年9月3日に開催された内閣府の国家戦略特別区域会議で示されたことをふまえ、東京建物が東京駅前八重洲一丁目東地区に建設する高層ビルの地下1階に7バース、三井不動産が八重洲二丁目北地区(東京ミッドタウン八重洲)に建設する高層ビルの地下2階に6バースのバスターミナルをそれぞれ設置する計画を発表しました。さらに、三井不動産などが八重洲二丁目中地区に建設する高層ビルの地下2階に7バースを設置する計画です。敷地面積はいずれも約5,000 ㎡程度であるため、3地区合計では20バース、約15,000 ㎡の大規模なバスターミナルとなります。高速バス・空港連絡バスのほか、定期観光バスも発着する構想です。付帯設備として、待合ラウンジやパウダールームなどが設けられ、これらは地下街を通じて東京駅とも繋がります。2022年から2028年にかけて順次整備される計画となっています。
運営事業者は京王電鉄バスに決定し、計画では2022年9月17日に北地区(第一期エリア)の開業を予定しており、さらに2025年には東地区、2028年には中地区の開業を予定しています。正式名称は「バスターミナル東京八重洲」に決定しました。
<結論>
・2028年に巨大なバスターミナルが東京駅八重洲口に誕生。
・エリアが3か所に分かれているため、乗客には分かりづらい。
・東京駅からの移動利便性を高めるための追加策が必要では?
<施設概要>
第1期エリア(北地区)
位置:地上1階、地下1階及び地下2階
専有床面積:約7,000㎡
バース数:9(乗降6、待機3)
第2期エリア(東地区)
位置:地上1階、地下1階及び地下2階
専有床面積:約6,000㎡
バース数:9(乗降7、待機2)
第3期エリア(中地区):地上1階、地下1階及び地下2階
位置:地上1階、地下1階及び地下2階
専有床面積:約8,000㎡
バース数:10(乗降7、待機3)
2028年にバスタ新宿の15バース(開業時)を超える20バースを持つ巨大なバスターミナルが東京駅八重洲口に誕生しますが、エリアが3か所に分かれているため、バスターミナルの一体運用が難しく、利用者には分かりづらい構造となっています。東京駅八重洲中央口から約100~300m程度離れており、動く歩道などの東京駅からの移動利便性を高めるための追加投資が必要とみられます。
また、第1期エリアのバス出入り口はあおぎり通りに設けられる計画となっています。
<市街地再開発事業の概要>
・第2期エリア(東地区)
地区名称:東京駅前八重洲一丁目東 B地区
事業主体:東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発組合
所在地:東京都中央区八重洲一丁目6~9番の一部
敷地面積:約10,600 ㎡
延べ面積:約225,200 ㎡
主要な用途:事務所、店舗、バスターミナル、カンファレンス、医療施設、駐車場 等
階数・最高高さ:地下4階・地上51 階 約250m
竣工予定:2025年
・第1期エリア(北地区)
地区名称:八重洲二丁目北地区(A-1 街区)
事業主体:八重洲二丁目北地区市街地再開発組合
所在地:東京都中央区八重洲二丁目地内
敷地面積:約12,390 ㎡
延べ面積:約283,900 ㎡
主要な用途:事務所、店舗、ホテル、小学校、バスターミナル、交流施設、駐車場 等
階数・最高高さ:地下4階・地上45 階 約240m
竣工予定:2022年8月
・第3期エリア(中地区)
地区名称:八重洲二丁目中地区
事業主体:八重洲二丁目中地区市街地再開発組合
所在地:東京都中央区八重洲二丁目4番、5番、6番及び7番
敷地面積:約19,600 ㎡
延べ面積:約388,300 ㎡
主要な用途:事務所、店舗、劇場、サービスアパートメント、インターナショナルスクール、バスターミナル、駐車場 等
階数・最高高さ:地下3階・地上43 階 約226m
竣工予定:2028年
<バス停の移行方針>
1.八重洲口の路上環境の改善を図るエリア
都道(外堀通り・八重洲通り)に停留所を設け発着する高速乗合バス
(実現方針)
・路上交通環境の早期改善の観点から、最も早期に移行を図る。
・段階的に開業するバスターミナル周辺で発着している高速乗合バスを最優先として移行を図る。
・路上交通環境の早期改善及び利用者利便性を確保する観点から、バス停単位で移行を図る。
2.国の方針により一時的措置等をしている状況の改善を図るエリア
鍛冶橋駐車場で発着する高速乗合バス
(実現方針)
・「上記1.」の次に、バス事業者単位で移行を図ることとする。
・北地区開業前の、別途設定する時点で発着しているバスを移行対象とする
3.丸の内側開発にあわせ移行を図ることとされているエリア
丸の内口の都道上に停留所を設けて発着する定期観光バス等
(実現方針)
八重洲側と丸の内側の交通環境や立地の違い及び利用者利便性の観点から、バス事業者が八重洲側への移行を希望する場合において、以下のとおり取扱う。
・高速乗合バス:バス事業者単位で移行する。
・定期観光バス等:八重洲バスターミナルの高速乗合バスの運行管理及びキャパシティを勘案した上で、八重洲バスターミナル運営事業者と定期観光バス等事業者との協議により決定する。
■移行対象バス以外の取扱い
・キャパシティに余裕がある場合は、健全な経営基盤の構築に向けて、以下の観点を踏まえ、既存バス便の増便、移行対象エリア外の周辺路上で発着するバスを含む新規バス路線や貸切バス等の利用を認める。
■引き続き道路上等の停留所において乗降を行うバス
○JR東京駅駅前広場(八重洲口・丸の内口)で発着するバス
○移行対象エリア内外で発着する一般路線バス等※
※東京BRTの取扱い
・「東京都臨海部地域公共交通網形成計画(2016年6月、東京都・中央区・港区・江東区。)」における位置づけや3地区の施設計画等を踏まえ、東地区の竣工・開業にあたり、東京BRTの運行事業者と八重洲バスターミナル運営事業者との間で、乗り入れ条件等の協議が整った場合に、東京BRTは八重洲バスターミナルに乗り入れることとする。
<効果>
本バスターミナル整備によって路上バス停の集約等が実現することにより、国際都市東京の玄関口における交通結節機能強化が図られ、本バスターミナルを拠点として国内外からヒトを呼び込むことにより、東京の国際競争力が強化されることが期待されています。
また、利用者の皆様にとっては、よりわかりやすく、安全で快適なバス利用が実現します。
<まとめ>
・2028年にバスタ新宿を超える巨大なバスターミナルが東京駅八重洲口に誕生する。
・エリアが3か所に分かれているため、乗客には分かりづらいとみられる。
・東京駅から約100~300m程度離れており、東京駅からの移動利便性を高めるための追加施策が必要とみられる。
-以上-
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