今回は、第二東京湾岸道路について千葉県湾岸地区道路検討会・幹事会の資料とWikipediaの情報を基に検討します。
<概略>
第二東京湾岸道路は構想段階の道路で、第二湾岸、第二湾岸道路とも呼ばれ、1994年12月16日地域高規格道路の候補路線に指定されました。東京外環自動車道と共に首都圏の環状高速道路の2環目を構成します。三番瀬を通過する計画であったことから環境保全上の話題となりました。現在のところ、必要性・緊急性についての基礎調査が行われている段階であり、具体的な計画・ルート・構造については未決定です。
2001年に三番瀬の埋め立て計画(京葉港二期地区計画、市川二期地区計画)が白紙撤回されたことで、そこを通る予定だった第二東京湾岸道路の建設も困難となり、事実上の凍結状態となっています。建設省時代から調査を担当していた国土交通省東京湾岸道路調査事務所は、2009年3月を以て廃止されています。千葉県をはじめ関係自治体は「第二東京湾岸道路」の建設自体は推進の立場であり、長らく建設構想が進んでいませんでしたが、2019年に入り、国土交通省が建設に向けた検討会の設置を決定し、三番瀬の環境に配慮しつつ、ルートや工法の具体化を検討しています。
<結論>
・千葉県区間は、外環高谷JCTから蘇我IC及び市原ICまで高規格道路のルート検討を進めている。
・東京都区間は、今のところ計画は白紙。
<ルート>
区間:東京都大田区城南島から千葉県市原市廿五里
距離:約50 km
道路構造規格:未定
首都高速道路(B)湾岸線の更に海側に計画されている路線であり、東京湾岸地域(特に千葉県)の輸送力増強のために計画され、東京湾口道路、東京湾アクアライン、東京湾岸道路千葉地区専用部などとともに東京湾を8の字状に結ぶ東京湾環状道路の一部としても位置づけられています。
<東京都・千葉県湾岸地域の交通状況>
人とモノが集中する東京都と千葉県の湾岸地域において、都心方面と千葉県の往来を担う国道357号は、広範囲にわたり慢性的な交通渋滞が発生しています。国道357号の東京都区間と千葉県区間を比較すると、千葉県区間の方が旅行速度20km/h未満が占める割合が大きい状況となっています。(東京都区間約25%、千葉県区間約45%)
特に、千葉県湾岸地域においては、商業施設や物流施設などが集中している市街地周辺において依然として慢性的な交通渋滞が発生しており、まずはこの解消が喫緊の課題となっています。また、湾岸地域は国際拠点港湾の千葉港をはじめ、首都圏の重要な拠点を有しており、今後も港湾機能の強化や物流施設の立地等の開発計画に伴う交通需要の増大が見込まれています。
<千葉県区間>
千葉県湾岸地区道路検討会・幹事会では、千葉県湾岸地域の状況をふまえ、湾岸地域のポテンシャルを十分発揮させ、我が国の国際競争力の強化や首都圏の生産性向上、湾岸地域の更なる活性化のため、国道357号の渋滞対策を促進するとともに、必要な規格の高い道路として、多車線の自動車専用道路の計画の具体化が必要であることが確認されました。
外環道千葉県区間開通後の湾岸地域の交通状況を鑑み、まずは早期に整備効果を発揮できるよう、規格の高い道路として外環高谷JCT周辺から蘇我IC周辺ならびに市原IC周辺までの湾岸部においてルートの検討を進めています。ルートや構造の検討にあたっては、東京湾奥部に残された貴重な干潟となる三番瀬については千葉県三番瀬再生計画との整合性を図るとともに、地域の生活環境に配慮した計画とすること、また、既存の都市計画や県の確保済用地を有効に活用する。としています。
県の確保済みの用地
県道15号沿い(千葉船橋海浜線及び海浜大通り)
JFEスチール東日本製鉄所千葉地区西側
千葉県市原市岩崎にある都市計画道路用地
その他の用地とみられる場所
千葉県船橋市高瀬町の中央通り
千葉県浦安市日の出2丁目付近から千葉県浦安市千鳥付近まで
※浦安市は今回の検討範囲に含まれない。
<東京都区間>
建設候補地とみられる東京臨海道路付近に工場や街がほとんど立地していないため、当面の間は、湾岸線の機能強化のみで十分と考えられる。検討も開始されておらず、都市計画も存在しない。
用地とみられる場所
城南島及び中央防波堤外側の東京臨海道路沿い
<まとめ>
・千葉県区間は、外環高谷JCT周辺から蘇我IC周辺ならびに市原IC周辺までの湾岸部において高規格道路のルート検討を進めている。
・浦安市と船橋市にまたがる三番瀬付近のルート選定が最大の課題とみられる。
・東京都区間については、湾岸線の機能強化で当面乗り切るとみられる。
-以上-
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