今回は、首都高速道路の10号晴海線について「東京都市計画道路都市高速道路第1号線等の変更(素案)」とWikipediaの情報を基に検討します。
<概略>
首都高10号晴海線は首都高速道路の路線で、都市計画道路の路線名は東京都市計画道路 都市高速道路晴海線です。都心と臨海部との連携を強化するとともに、臨海部の交通分散や利便性向上に寄与する路線として1993 年に都市計画決定され、晴海~東雲JCT 間が供用されています。東雲JCTから晴海出入口の区間は、湾岸線と豊洲・晴海地区を連絡する路線となっており、全区間が都道304号支線(有明通り)に並行しています。終点の晴海出入口の先では晴海通りに接続し、都心部(銀座・日比谷方面)へのアクセスルートの一つとなっています。
未着手となっている築地~晴海間については、新京橋連結路(地下)と連続したネットワークを形成することで、首都高速道路の中でも特に交通が集中する江戸橋・箱崎JCT などの渋滞ポイントを避けて、都心と湾岸線の相互アクセスを可能にするなど、高い整備効果が見込まれるため、延伸の検討が進められています。
<結論>
・晴海から築地までの計画中区間は、日本橋区間の地下化及び新京橋連結路と一体となって機能する道路として期待されている。
<供用区間のルートと構造>
起点:中央区晴海二丁目
終点:江東区有明二丁目
出入口等
晴海出入口 晴海通りに接続 湾岸線方面出入口
豊洲出入口 有明通りに接続 湾岸線方面出入口
東雲JCT 湾岸線に接続
延長:約2.7km(晴海~豊洲1.2km、豊洲~東雲JCT1.5km)
完成年度:(晴海~豊洲2017年度、豊洲~東雲JCT2010年度)
事業費:579億円(晴海~豊洲)
車線数 :往復2車線(暫定整備)
道路の区分:第2種第2級
設計速度:60km/h
構造:高架構造
<延伸計画と構想>
晴海出入口からさらに北に延伸して、都心環状線に接続する計画があります。晴海出入口以北は地下トンネルとなり、上下線を途中で分岐させ、湾岸線→都心環状方面は築地で、都心環状→湾岸線方面は新富町で都心環状線に接続する予定となっており、すでに新富町から築地本願寺裏手までの約600mは、築地川の流路を活用したトンネルが完成していますが利用されていません。2022年、都心環状線の日本橋付近の地下化に伴う新京橋連結路の建設に関連して、新富町出口を都心環状線外回り方面への入口に変更し、晴海線と都心環状線との接続は銀座出入口付近において江戸橋ジャンクション方面への出入りに変更する素案がまとめられました。この素案通りとなった場合、都市計画の変更が行われ、現在新富町出口の先にあるトンネルは用途を失うことになります。
地域高規格道路の候補路線として、都心環状線以西の延長上に都心新宿線・多摩新宿線の構想もありますが、詳細な計画は未定であり、首都高速道路の10号線となるかも定かではありません。
都市計画上、東雲JCTは湾岸線以南へ本線およびランプを延長できるよう計画されています。現時点で具体的な延伸計画はありませんが、調査中の第二東京湾岸道路に延伸し、接続する構想がある。
<築地川区間と晴海線見直しの方向性>
築地から晴海間については、新京橋連結路(地下)と連続したネットワークを形成することで、首都高速道路の中でも特に交通が集中する江戸橋・箱崎JCT などの渋滞ポイントを避けて、都心と湾岸線の相互アクセスを可能にするなど、高い整備効果が期待されています。そのため、日本橋区間地下化及び新京橋連結路(地下)と一体となって整備する方向で検討が進められている。
新京橋連結路(地下)の設置に伴い、晴海線は第1号線(築地川区間)と京橋付近での接続が困難になるとともに、京橋入口の廃止に伴い新富町出口を入口化するため、今回の変更では、晴海線のうち自動車専用道路として機能しなくなる下り線の一部を廃止します。
今後、周辺のまちづくりと連携し、築地川区間と晴海線の都市計画を見直します。その検討の方向性としては、S 字カーブを改良する銀座付近に接続位置を集約し、築地川区間の北側のみとの行き来が可能な接続形態とします。あわせて、築地川区間の分合流部において付加車線を設置します。
<まとめ>
・晴海出入口から築地の都心環状線までの区間は、日本橋区間地下化及び新京橋連結路(地下)と一体となって整備する方向で検討が進められている。
・東雲JCTから湾岸線以南へ延伸し、構想中の第二東京湾岸道路へ接続する構想もある。
-以上-
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