首都高速道路【新京橋連結路、築地川区間、KK線】

 今回は、首都高速道路都心環状線の新京橋連結路、築地川区間及びKK線について「首都高都心環状線の交通機能確保に関する検討会」の資料と「東京都市計画道路都市高速道路第1号線等の変更(素案)」の情報を基に検討します。

<概略>

 前回取り上げた、首都高速道路日本橋区間は、構造物の損傷が激しく、更新が必要となっており、周辺のまちづくりと連携して地下化することにより、日本橋川周辺の景観や環境の改善を図る計画です。地下化に当たっては、交通が集中する江戸橋JCT 周辺の渋滞緩和を図るため、江戸橋JCT の都心環状線連結路を廃止し、都心環状線を利用する車を八重洲線に転換させる計画です。

 八重洲線と接続する東京高速道路(KK線)は、大型車の通行に対応していないことから、国と東京都は「首都高都心環状線の交通機能確保に関する検討会」を設置し、KK線の構造強化を含めて大型車の交通機能確保策を検討しました。その結果、老朽化した擁壁の取替えなどを行う築地川区間の大規模更新事業との連携が可能であることや、未着手となっている晴海線が整備されると、一般道も含めて更なる交通の円滑化が期待されることなどから、新たな都心環状ルートとなる新京橋連結路(地下)を整備することとなりました。

<結論>

・新京橋連結路は日本橋区間の地下化完了と同じ2035年の事業完了を目指している。

・KK線は活用の方向性が決まったが、築地川区間の詳細は晴海線接続をふまえ今後検討が行われる。

<ルート変更の概略>

・第1号線

連結路の設置:延長約1,120m(中央区新富二丁目~八重洲二丁目)

地下式、2 車線、一部区域で立体的な範囲を設定

出入口の設置:新富町入口(仮称)、東銀座出口(第8 号線から編入)

入口の廃止:京橋入口

・第4号線

終点位置の変更:中央区八重洲二丁目付近→八重洲二丁目

延長の変更:約21,380m→約20,150m

一部区域の変更:神田橋JCT 以南を4 車線から2 車線(連結路)に変更

 入口の設置:丸の内入口(仮称)

・第8号線

廃止

・晴海線

終点位置の変更:中央区築地一丁目→築地四丁目

延長の変更:約5,130m→約4,550m(下り線の一部廃止)

出口の廃止:新富町出口

<各路線の検討状況>

新京橋連結路(地下)

「首都高都心環状線の交通機能確保に関する検討会」での検討が終了し、事業化へ向けて動き出しています。主要区間はシールドトンネルが採用され、開削トンネル、擁壁・掘割部も一部で採用されます。また、出入口改修や、既存道路の擁壁取替え等も行われる計画です。

事業費概算:約1,100億

 事業完了目標:2035年(日本橋区間地下化と同じ)

都心環状線(築地川区間)

晴海線との接続を見据え大規模更新事業の内容について引き続き検討を行う予定です。築地川区間では、老朽化した擁壁の取替えなどを行う大規模更新を予定しており、急カーブの解消や道路上部空間の活用など、周辺のまちづくりと連携した更新計画を検討しています。また、晴海線との接続を見据え、その接続形態や分合流部の付加車線の設置について検討しています。新京橋連結路接続部から、晴海線接続部までの区間は付加線が追加されなければ、ボトルネックとなる可能性もあります。

 築地川区間のうち、新金橋~亀井橋間については、新京橋連結路(地下)の整備や新富町出口の入口化と同時に擁壁を更新し、あわせて、線形改良や車道内橋脚の撤去により走行安全性の向上を図る予定です。

東京高速道路(KK線)

歩行者中心の公共的空間として再生されます。2022年2月に東京都から東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針 (中間まとめ)(案)が公表されました。また、KK線接続部の首都高施設のあり方について今後検討が行われる予定です。

<まとめ>

・日本橋区間地下化と一体となって進めるべき新京橋連結路(地下)については、事業化に向けた手続きが始まっているが、築地川区間の詳細は今後検討が進められる。

・KK線については、歩行者中心の公共的空間として再生することが決まり。そのイメージが公表された。

・築地川区間は晴海線接続時の交通流を考慮した詳細検討が望まれる。

-以上-

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