今回は北千葉道路西側の市川市~船橋市の区間について、千葉県ホームページ資料、国土交通省関東地方整備局ホームページ資料及びWikipediaの情報を基に検討します。
<概略>
北千葉道路は、千葉県市川市から同県成田市を結ぶ延長約45kmの一般国道464号のバイパス道路です。1994年12月16日に地域高規格道路の候補路線に指定されました。2001年8月28日に開かれた第3回都市再生本部第二次決定にて、「首都圏北部と成田空港間のアクセス時間を大幅に短縮する新たな道路アクセスルートとして、東京外かく環状道路の東側区間の早期整備と北千葉道路の計画の早期具体化」として、都市再生プロジェクトに位置づけられています。
そのうち、区間東側の、千葉県市川市(東京外環道との接続点)から千葉県船橋市(国道16号との接続点)までの起点側から約15 kmについて、2018年に環境影響評価の手続きが行われ、2021年度に市川市堀之内から大町の3.5 kmが新規事業化されました。国道16号以東の区間は、一般部は供用済みですが、専用部の整備手法などは未定となっています。鎌ケ谷市鎌ケ谷消防署前交差点から成田市押畑交差点までの一般部は整備済みで、印西市吉高から成田市押畑までの区間は、暫定2車線となっています。また、白井市谷田から印西市鎌苅までの掘割部には片側2車線の専用部が開通していますが、印西市鎌苅から成田間は、専用部の整備が未定となっています。成田市押畑から、成田市大山までの区間は、現在事業中です。
今回は、区間最も西側の市川市堀之内から船橋市小室町までの区間について取り上げます。
<結論>
・一部区間が事業化されたばかりであり開通目標年度は未定。
・船橋市小室町から白井市谷田までの専用部の具体化が望まれる。
<ルート>
北千葉道路西側の市川市堀之内から船橋市小室町までは、以下のルートに建設される計画です。
起点 : 市川市堀之内
終点 : 船橋市小室町
総延長 : 約15km
北千葉JCT:C3東京外環自動車道に接続
松戸市川西IC:北千葉JCT方面出入口
松戸市川東IC:成田方面出入口 調査中
鎌ケ谷西IC:北千葉JCT方面出入口 調査中
鎌ケ谷東IC:成田方面出入口 調査中
白井IC:北千葉JCT方面出入口 調査中
船橋市小室町:国道16号に接続 調査中
<構造>
北千葉道路西側の市川市堀之内から鎌ヶ谷市初富付近までの標準構造は以下の様になっています。
・専用部
規格 : 第3種第1級
車線数 : 4車線
標準幅員 : 22.0m
設計速度 : 80km/h
料金:無料
・一般部
規格 : 第1第4級
車線数 : 4車線
標準幅員 : 41.0m
設計速度 : 60km/h
料金:無料
北千葉道路西側の鎌ヶ谷市初富付近から船橋市小室町までの標準構造は以下の様になっています。
・専用部
規格 : 第3種第1級
車線数 : 4車線
標準幅員 : 10.5m×2
設計速度 : 80km/h
料金:有料
・一般部(既設)
規格 : 第1第4級
車線数 : 4車線
標準幅員 : 11.0m×2
設計速度 : 60km/h
料金:無料
<事業主体>
国土交通省関東地方整備局
<整備効果>
・周辺道路の渋滞緩和
北千葉道路の全線整備により成田空港と都心方面を結ぶ輸送の安定性が向上します。また、北千葉道路整備により交通が転換し、国道464号の渋滞が緩和。国道464号から東京外環への最短経路が整備されることで、首都圏の各方面とのアクセス性が向上します。
・交通事故の削減
国道464号の渋滞緩和により、渋滞を要因の一つとして発生していた追突事故が減少し、走行の安全性が向上します。
・地域産業の支援
高速道路アクセスが向上し、円滑な移動が図られることで企業誘致を支援します。
<主な課題>
・2018年に環境影響評価の手続きが行われた市川市堀之内から船橋市小室町までの区間約15kmのうち、事業化された区間は市川市堀之内から大町の3.5 kmのみです。よって、残り区間の早期事業化と、全区間の早期着工が望まれる。
・船橋市小室町から白井市谷田までの専用部は具体的な計画が無く、専用部の連続性を担保するうえで、早期具体化が望まれる。
<まとめ>
・一部区間が事業化されたばかりであり、事業完了までには相当の時間を要するとみられ、開通目標年度も明示されていない。
・船橋市小室町から西側の専用部を建設しなければ、既設専用部との連続性が保たれないため、この区間の早期具体化が望まれる。
―以上―
コメント