厚木秦野道路

 今回は厚木秦野道路について、国土交通省関東地方整備局のホームページ資料及びWikipediaの情報を基に検討します。

<概略>

  国道246号は、東京都を起点に神奈川県中央部を横断し、静岡県に至る首都圏と東海地方を結ぶ重要な幹線道路です。国道246号の厚木~秦野間では、慢性的な交通渋滞が発生しており、円滑な交通機能の確保が大きな課題となっております。

 厚木秦野道路は、厚木市中依(なかえ)()の圏央厚木IC/JCTから秦野市八沢(はっさわ)の秦野西ICへ至る延長約29.1kmのバイパス事業で、国道246号の混雑緩和を図るとともに、東名高速道路、新東名高速道路、圏央道(さがみ縦貫道路)と相互に連絡することにより、神奈川県の県央地域における広域ネットワークを形成します。厚木秦野道路の整備により、現在の国道246号の慢性的な渋滞を緩和するとともに、地域交通の円滑化を図ります。厚木秦野道路のうち、厚木市中依(なかえ)()から同市飯山までの延長約3.6kmを2001年度から、伊勢原市西富岡から同市善波(ぜんば)までの延長4.8kmを1998年度から、伊勢原市善波から秦野市西大竹までの延長約5.2kmにおいて2014年度から事業を行っています。

<結論>

・事業中区間で工事に着手した個所はごく一部であるが、2026年度が供用目標となっている。

・全線事業化及び4車線化の必要性は、新東名の状況を踏まえて判断されるとみられる。

<ルート>

 厚木秦野道路は、以下の様なルートに建設される計画です。

起点 : 神奈川県厚木市中依知(圏央厚木IC/JCT)

終点 : 神奈川県秦野市八沢(秦野西IC)

総延長 : 29.1 km

 計画されているIC及びJCTは以下の通りです。圏央厚木IC/JCTから座間市方向へ延伸する構想も座間市の都市計画構想から読み取れます。

圏央厚木IC/JCT (首都圏中央連絡自動車道に接続) 事業中

厚木北IC (国道412号に接続) 事業中

森の里IC (都市計画道路船子飯山線に接続予定) 調査中

伊勢原北IC (E1A 新東名高速道路 伊勢原大山ICに接続) 事業中

伊勢原西IC (国道246号に接続) 事業中

秦野中井IC (東名高速道路に接続) 事業中

渋沢IC (都市計画道路渋沢小原線に接続予定) 調査中

秦野西IC (新東名高速道路 新秦野ICに接続) 事業中

<構造>

厚木秦野道路の標準構造は以下の様になっています。

規格 : 第1種第3級

車線数 : 厚木地区および伊勢原地区 4車線(暫定2車線)

伊勢原西~秦野中井 2車線

標準幅員 : 20.5 m

設計速度 : 80 km/h

料金:無料

<事業主体>

国土交通省関東地方整備局

<整備効果>

・渋滞緩和

 国道246号を利用していた通過交通が、厚木秦野道路に転換することにより、各地の渋滞が緩和されます。交通の流れがスムーズになると沿道の環境改善にも貢献します。

・生活道路の機能改善

 国道246号の渋滞緩和により、市内の生活道路を抜け道としていた車も減少し、安全で静かな環境が戻ってきます。

・時間短縮、地域交流

 厚木秦野道路は、東名高速道路や現在事業中の新東名高速道路、圏央道(さがみ縦貫道路)との連結により、高速ネットワークへのアクセスが向上し、今まで遠かった街もぐっと身近になり、病院などへ通うのも便利になります。

・緊急輸送路の確保

 災害や緊急事態の時には、緊急車輌が確実に到着できる道路の確保が重要です。厚木秦野道路は災害、緊急事態にも機能する代替道路としても期待されています。

<進捗状況>

事業中区間の供用目標は、いずれも2026年である。

・圏央厚木IC・JCT~厚木北IC 3.6km(2001年事業化)暫定2車線(4車線)

  ※中津川橋付近で工事中

・厚木北IC~伊勢原市西富岡 調査中

・伊勢原市西富岡~伊勢原市北IC 0.7km(2002年事業化)暫定2車線(4車線)

 ※伊勢原北IC付近で工事中

・伊勢原北IC~伊勢原西IC 4.1km(1998年事業化)暫定2車線(4車線)

 ※鈴川橋及び伊勢原北IC付近で工事中

・伊勢原西IC~秦野中井IC 5.2km (2014年事業化)2車線

 ・秦野中井IC~秦野西IC 調査中

  ※新東名の秦野ICと共用する箇所が工事中。

<まとめ>

・1998年に事業化された区間もあるが、いずれの区間も未だ完成に至っていない。

・事業中区間の供用目標は2026年度となっているが、工事中の区間はごく一部である。

・未事業化区間が残っている。

・4車線で整備される予定の区間は、暫定2車線で着工されている。

・全線事業化及び4車線化の必要性は、周辺で建設中の新東名の状況をふまえて判断されるとみられる。

―以上―

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