東海環状自動車道【全線開通が見えてきた】

 今回は全線開通が見えてきた、東海環状自動車道について、国土交通省中部地方整備局のホームページ資料、NEXCO中日本のホームページ資料とWikipediaの情報を基に検討します。

<概略>

 東海環状自動車道は、愛知県豊田市の豊田東JCTから岐阜県を経由し三重県四日市市の新四日市JCTに至る高規格幹線道路です。略称は東海環状道。高速道路ナンバリングによる路線番号は、名古屋高速都心環状線(C1)、名古屋第二環状自動車道(C2)より外周の環状道路であることから「C3」が割り振られています。全線で通行料金が大都市近郊区間の料金水準となっています。法的な路線名は「一般国道475号」ですが、国道表記はありません。1994年のニックネーム募集により「MIE」(三重)「AICHI」(愛知)「GIFU」(岐阜)の頭文字を取ったMAGロードという愛称があります。

名古屋市の周辺30 – 40km圏を結ぶ環状道路として、東名高速道路、新東名高速道路、中央自動車道、東海北陸自動車道、名神高速道路、新名神高速道路、東名阪自動車道等と広域的な交通網を形成する延長 152.5 kmの自動車専用道路となっています。この東海環状道は、名古屋第二環状自動車道(C2)と伊勢湾岸自動車道から成る名古屋環状2号線とともに、名古屋圏環状道路を構成する2つの環状道路の1つとして位置付けられています。

豊田東JCTから中央道と接続する土岐JCT、東海北陸道と接続する美濃関JCTを経由して関広見ICに至る区間を東回り、関広見ICから名神高速道路と接続する養老JCTを経由して新四日市JCTに至る区間を西回りと呼んでいます。東回り区間はNEXCO中日本、西回り区間は国土交通省の事業となっていましたが、2011年6月8日にNEXCO中日本が西回り区間の事業許可を国土交通省から受け、「一般国道事業と有料道路事業による事業方式」で整備する事が決定しました。

<結論>

・2026年度の全線開通を目標としている。

・西回り区間の全線開通と、東回り区間の全線4車線化が当面の課題。

<ルート>

東海環状自動車道は、以下の区間に建設されている。

起点:愛知県豊田市(豊田東JCT)

終点:三重県四日市市(新四日市JCT)

総延長 : 152.5 km

供用中区間

豊田東JCT – 土岐JCT間 完成4車線 制限速度:100km/h

土岐JCT – 山県IC間 暫定2車線 制限速度:70km/h

大野(おおの)神戸(ごうど)IC – 養老IC間 暫定2車線 制限速度:70km/h

大安IC – 東員IC間 暫定2車線 制限速度:70km/h

東員IC – 新四日市JCT間 完成4車線 制限速度:70km/h

(土岐JCT – 美濃加茂IC/SA間は4車線化優先整備区間)

事業中区間

山県IC – 大野神戸IC間 2024年度開通予定

養老IC – 北勢(ほくせい)IC間 2026年度開通予定

北勢IC – 大安(だいあん)IC間 2024年度開通予定

<構造>

区分: 第1種第2級

設計速度 : 100 km/h

幅員:23.5m(標準)

車線数 : 4車線(土岐JCT – 東員IC間は暫定2車線)

<道路管理者>

NEXCO中日本(事業主体:国土交通省、NEXCO中日本)

<主な効果>

・環状道路としての機能

 分散導入機能:郊外から都心部への交通を分散して導入する複数のルートを確保します。

 バイパス機能:都心に起終点を持たない通過交通をバイパスさせ、場内交通と分離します。

 迂回機能:災害や事故、大規模な工事による交通規制、あるいは交通混雑があった場合など、迂回誘導が可能。

・新たな企業立地に伴う雇用の促進

 東海環状自動車道の東回りでは、道路の開通により企業数が約3倍、雇用者数が約4倍に増加しました。西回り沿線でも増加傾向にあり、道路開通に伴う更なる企業立地、雇用の促進が期待されます。

・物流の効率化

 東海環状自動車道の東回り開通後、豊田地区および東回り沿線に新たに34施設が立地しました。西回り沿線も、物流施設が新たに13施設立地しており、西回りの整備を見据えた拠点整備も確認され、小牧地区や名古屋港を中心としていた物流施設が広域化しています。

・観光入込客の増加

 東海環状自動車道の東回り開通後、沿線の観光入込客は1.5倍増加しています。西回りの開通により、広域観光の魅力向上が期待されています。

<主な課題>

山県IC – 岐阜IC :用地取得。

岐阜IC – 糸貫IC :用地取得、埋蔵文化財調査。

糸貫IC – 大野神戸IC : 用地取得。

養老IC – 北勢IC : 用地取得、埋蔵文化財調査、橋梁・道路詳細設計。

北勢IC – 大安IC : 用地取得、道路詳細設計。

東回りの全線4車線化

<まとめ>

・全区間が開通区間又は事業中区間となっており2026年度の全線開通を目標としている。

・西回り区間の全線開通と、東回り区間の全線4車線化が当面の課題である。

・東回り区間は全線4車線化を目指しているが、西回り区間は当面暫定2車線のままである。

―以上―

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