今回は、茨城県で事業中の春日部古河バイパスについて、国土交通省関東地方整備局のホームページ資料及びWikipediaの情報を基に検討します。
<概略>
国道4号は、東京都中央区日本橋を起点とし、埼玉・茨城・栃木・福島・宮城・岩手を通り青森市に至る、総延長約 860kmの主要幹線道路です。新4号国道は、その国道4号の慢性的な交通混雑を解消するために計画された大規模なバイパスの一つで、埼玉県越谷市から栃木県宇都宮市までの区間を結ぶ5つのバイパスを指す総称です。越谷春日部バイパス、春日部古河バイパス、古河小山バイパス、小山石橋バイパス及び石橋宇都宮バイパスで構成されています。総延長は80.5 kmで1968年より事業に着手し、1992年に全区間が開通しました。地域高規格道路の茨城西部宇都宮広域連絡道路に指定されています。
春日部古河バイパスは新4号国道のバイパスの一つであり、埼玉県春日部市下柳の庄和ICから茨城県古河市柳橋の柳橋交差点までの延長約 21.5kmの道路です。国道4号沿線の交通混雑緩和と開発計画等地域振興の支援を目的としており、首都圏と北関東方面との南北の交通需要に対し、圏央道など関連事業と連携し効率的なネットワークを形成、機能しています。
<結論>
・茨城県区間の立体交差化と6車線化が事業中。
・庄和ICから圏央道までの自動車専用道路の都市計画決定を推進中。
<ルート>
春日部古河バイパスは、以下のルートに建設されています。
起点:埼玉県春日部市下柳(庄和IC)
終点:茨城県古河市柳橋(柳橋交差点)
延長:21.5km
料金:無料
<残り事業>
事業内容:立体交差化及び6車線化(茨城県内)
6車線化区間:茨城県猿島郡五霞町幸主(五霞IC)~茨城県古河市柳橋
立体交差事業中箇所:江川跨道橋、幸主跨道橋、消防署前跨道橋、高野跨道橋
<構造>
道路規格:第三種1級
設計速度 : 80km/h(ランプ40km/h)
制限速度:60km/h
車線数 : 4車線(埼玉県内)、6車線(茨城県内)
幅員:埼玉県内29.0m
茨城県内28.5m
<事業主体>
国土交通省関東地方整備局
<効果>
・交通の安全性向上
春日部古河バイパス周辺の事故率をみると、現道の国道4号で事故率が 約100件/億台キロと高い水準です。 事故率の高い現道の区間は人口集中地区及び市街地であり、安全な道路環境となっていません。現道の通過交通を死傷事故率の低いバイパスへ転換させることにより現道国道4号の交通の安全性が向上します。
・生活環境の向上
大型車混入率をみると、春日部古河バイパスと並行する西関宿栗橋線や松伏春日部関宿線等の一般道の大型車混入率が30%を超えており、春日部古河バイパスの整備を行い、大型車をバイパスへ転換させることにより生活環境が向上します。
・地域産業の成長
全線4車線化整備により、沿線に物流施設や工場が立地する等、民間の投資を喚起します。周辺地域の工業団地への企業立地が進んでおり、沿線地域の民需拡大に寄与することが期待されます。
<主な課題>
・茨城県内区間の立体交差化事業の早期完了とその後の全線6車線化。
・圏央道以南の国道4号ではで渋滞が慢性的に発生していると共に、自動車専用道路のミッシングリンクが存在しており、ネットワークとして脆弱であることから、庄和ICから圏央道までの自動車専用道路整備が求められている。
<まとめ>
茨城県区間の立体交差化と6車線化が事業中であり、早期完成が望まれる。
庄和ICから圏央道までの自動車専用道路整備の区間は、埼玉県のネットワーク強化のため、都市計画決定を推進中。
―以上―
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