新大宮上尾道路

 今回は、2021年7月30日に初弾の基礎工事入札が公告された新大宮上尾道路について、国土交通省関東地方整備局のホームページ資料、首都高速道路株式会社のホームページ資料及びWikipediaの情報を基に検討します。

<概略>

 新大宮上尾道路は、埼玉県さいたま市中央区の与野JCTと鴻巣市の箕田(みだ)交差点を結ぶ地域高規格道路の計画路線です。2016年に宮前ICから首都圏中央連絡自動車道桶川北本ICまでの上尾道路が開通するなど、並行する一般道路部分である新大宮バイパスと上尾道路の事業が進展していることから、今後も交通需要が更に増大する事が見込まれています。これを受けて、新大宮バイパスと上尾道路の上空にかねてより建設が計画されていた新大宮上尾道路は、2016年度より与野JCT – 上尾南出入口(仮称)間の8.0 kmが国道17号バイパスとして事業化されることが決定しました。道路規格は第1種第3級、完成4車線、設計速度80 km/hとされています。

<結論>

・事業中区間は現在用地取得中で、完成年度は未定。

・計画中区間の着手は、上尾道路の用地取得完了後とみられ当面無い。

<ルート>

 新大宮上尾道路は、以下のルートに建設される計画です。

起点:埼玉県さいたま市中央区(えん)阿弥(なみ)(与野JCT)

終点:埼玉県鴻巣市大字箕田(みだ)(箕田交差点)

路線延長:25.1km(事業化区間:約8.0km)

料金:有料

計画されているJCT、IC及び出入口は以下の通りです。

与野JCT(首都高速道路 埼玉新都心線及び埼玉大宮線に接続):事業中

大宮出入口(上尾南方面出入口):事業中

宮前南出入口(与野JCT方面出入口):事業中

宮前出入口(上尾南方面出入口):事業中

上尾南出入口(与野JCT方面出入口):事業中

上尾北出入口(熊谷方面出入口):計画中

桶川南出入口(与野JCT方面出入口):計画中

桶川北出入口(熊谷方面出入口):計画中

桶川北本IC(C4 首都圏中央連絡自動車道に接続):計画中

北本南出入口(与野JCT方面出入口):計画中

北本北出入口(熊谷方面出入口):計画中

鴻巣南出入口(与野JCT方面出入口):計画中

鴻巣中央出入口(熊谷方面出入口):計画中

鴻巣北出入口(与野JCT方面出入口):計画中

箕田交差点(熊谷バイパスと接続予定):計画中

<構造>

 事業中区間は全区間で、高架構造で建設される計画であり、標準構造は以下の様になっています。

・新大宮バイパス区間(与野JCT(仮称)~宮前)

道路規格:第一種3級

設計速度 : 80km/h

道路幅員:18.75m

車線数 : 4車線

・上尾道路区間(宮前~上尾南出入口(仮称))

道路規格:第一種3級

設計速度 : 80km/h

道路幅員:20.50m

車線数 : 4車線

<事業主体>

 首都高速道路株式会社

(国土交通省関東地方整備局と首都高速道路株式会社が共同で事業を進めています)

<効果>

・地域の産業活動を支援

 圏央道沿線では企業立地が進む中、圏央道開通によるネットワーク強化で、さらなる交通需要が見込まれ、物流企業等の都心方面へのアクセス改善が求められます。さらに、国道17号バイパス及び国道17号については、南北方向の長トリップの通過交通が流入し、交通容量の大幅な不足による渋滞が発生しています。新大宮上尾道路の整備により、円滑な物流が確保できるため、圏央道沿線からの都心方面へのアクセス性が向上し、地域の産業活動を支援します。

・住民の安全性が向上

 国道17号バイパスでは、平日朝の旅行速度が13km/hであり、延長約8.0km間における旅行速度の著しい低下が原因と考えられる追突事故は4年間で約340件と多発しています。新大宮上尾道路の整備により、一般道路の渋滞が緩和され、追突事故の減少が見込まれます。

・物資輸送等の広域連携が向上

 さいたま新都心は、首都圏広域防災拠点に位置付けられていますが、圏央道から与野間の広域幹線道路が未整備のため、信越、東北方面の主要拠点等からのアクセスが不十分となっています。新大宮上尾道路の整備により、防災拠点として機能するために必要なネットワークが整備されます。また、信越、東北方面の主要拠点等からさいたま新都心へのアクセス性が強化され、拠点間の物資輸送等の速達性向上に寄与します。

<主な課題>

・事業中区間(与野JCT – 上尾南出入口)の課題

 全区間において高架構造で計画されており、技術的な障害は無いとみられる。現在実施中の用地取得が順調に進むかどうかが最大の課題とみられる。また、用地取得目途付け後に開通目標年度が発表されるものとみられる。

・計画中区間(上尾南出入口 – 箕田交差点)の課題

 圏央道へ接続しなければ、本道路の速達効果は十分に発揮されないとみられ、引き続き圏央道方面への延伸着手が求められるが、上尾道路の用地取得が完了していないため、事業化は当面無いとみられる。

<まとめ>

・事業中区間の与野JCTから上尾南出入口までは、現在用地取得中で、完成年度は未定となっている。

・計画中区間は、少なくとも圏央道の桶川北本ICまでの着工が求められるが、並行する一般道である上尾道路の暫定2車線区間は、用地取得未完了箇所があり、新大宮上尾道路の計画中区間の事業着手は当面ないとみられる。

―以上―

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