今回は、以前取り上げた武蔵小杉駅を発着する列車の混雑対策第二弾として、武蔵中原駅から武蔵小杉駅間の混雑対策について検討しました。この区間は山手線に匹敵する運行本数を誇るため、これ以上の増発が難しい区間です。神奈川県から長編成化の要望がJR東日本に出されていますが、事業化には至っていません。南武線の輸送力増強に関して、神奈川県からはほかにも要望が出されていますが、詳細は神奈川県の資料に譲り、ここではこの区間の混雑対策の現状と今後の見通しについてまとめました。
<結論>
この路線の混雑率は横ばいから下落傾向にあり、当面は対策実施されない。
<現状>(2019年)
・混雑時間帯:7:30~8:30
・編成×本数:6×25(両×本)
・輸送力:22,200人
・輸送人員:40,380人
・混雑率:182%
2014年の幅広車両導入以降、混雑率は低下傾向。
<対策案>
・川崎縦貫高速鉄道建設 ⇒ 計画廃止
・南武線の超編成化 ⇒ 具体化の動き無し
<南武線長編成化への課題>
・ホームの延長及び車両基地拡張の用地確保。
<南武線の現状>
尻手⇔武蔵小杉(約5.5km):立体交差化都市計画中 着工20年で完成予定
武蔵小杉⇔武蔵溝ノ口(約4.5km):立体交差化完了
稲田堤⇔府中本町(約4.3km):立体交差化完了
矢川⇔立川付近(約3.0km):立体交差化着工準備中
・計画中の立体交差化区間が完成すれば、路線の50%以上の立体化が完了する。
・計画の完成には20年の長期間が必要。
・立体化でホーム延長のハードルは下がるが、直近で南武線の長編成化が事業化する可能性は低い。
・川崎から武蔵溝ノ口までの立体化が完了すれば、その区間のみ超編成車両を折り返し運転させる事も可能。
<まとめ>
しばらくは、混雑率の推移を見極める段階。
-以上-
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