今回は、富士山登山鉄道構想検討会が2月に発表した。富士山登山鉄道構想(案)について見ていきます。富士山登山鉄道構想検討会は御手洗冨士夫経団連名誉会長が会長を務める組織で、2019年から富士山登山鉄道構想の検討を進めてきました。今年の2月8日の総会で了承された構想が今回検討する「富士山登山鉄道構想(案)」になります。
<結論>
冬季に安定した交通システムが本当に必要か再考を!電動バスで十分では?
<ルート>
・山梨県側の富士スバルライン上を通るルートを想定している。
・富士吉田IC西交差点から、五合目までの延長約25~28kmの区間を通るルート。
・富士吉田IC西交差点から河口湖方面のルートは未定。
(参考:富士スバルライン諸元)
延長:24.1km
標高:1,050~2,305m
標準幅員:8m
勾配:横断勾配1.5% 縦断構内 平均5.2% 最大8.8%
<軌道整備イメージ>
・様々な方式の中からLRTが優位と断定。
・富士スバルライン上に複線でLRT軌道(コンクリート軌道ブロック)を建設。
・河川レスシステムを採用。
・上下水道及び電力ケーブル、通信ケーブル、LRT軌道ケーブルを埋設。
<収支シミュレーション>
利用者数:約300万人/年
運賃(往復):10,000円
総費用:約1,400億円
資金調達:資本金20% 借入金80%
運営経費:国内山岳鉄道の実績を参考にした。(過去5年分)
設備更新:20年後にインフラ外設備更新
<課題>
・事業の枠組みと運営主体
・法制度への対応
・鉄道の技術的課題
登坂性能および制動性能
架線レスシステム
橋梁の体力、安全対策
<まとめ>
・解決すべき課題は多く、事業化はまだ先の話。
・本当に必要な事業か目的を整理して再考すべき。
⇒「経済性と事業性のどちらをどの程度優先するのか?」が不明確。
―以上―
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