都心部・品川地下鉄構想の新設

 今回は、白金高輪駅と品川駅をつなぐ地下鉄構想である「都心部・品川地下鉄構想の新設」について検討しました。この構想は、2018年度に実施された「東京圏における国際競争力強化に資する鉄道ネットワークに関する検討会」で取り上げられた路線であり、地下鉄8号線の豊洲~住吉間と並んで事業性の高い路線と考えられています。

<結論>

 数年内に着工出来なければ、人口減で事業性低下の恐れがある。

<ルート>

 白金高輪駅から東京メトロ南北線と、都営三田線を品川駅まで延伸する事が構想されています。白金高輪駅は既にホームが2面4線有るため、駅の新設は無いと考えられます。一方、品川駅の地下鉄ホームは新設さる予定で、現品川駅に並行して設置する案(Aルート)と、現品川駅と垂直に設置する案(Bルート)の2案が検討されています。事業性はAルートの方が優位との検討結果が出ています。

<路線条件>

延長:2.5km

途中駅:無し

運行本数:12本/日(朝ピーク時)

運転時分:約4分

事業費:800億円

相互直通運転:東京メトロ南北線、都営三田線

輸送人員:約13.4~14.3万人/日

B/C(費用便益比):2.5~3.1

事業の黒字化時期:16~19年目(新設部のみ)

事業主体:未定

<沿線人口の推移>

 2018年試算によると品川区の人口ピークは、上位推計で2048年、中位推計で2044年下位推計で2037年となっており、早ければ17年後位に沿線の人口減少が始まる恐れがあります。よって、着工が遅れるほど事業性が悪化していくことが予測されます。本事業を進めるのであれば、着工は早い方が良いと言えます。

※本路線の沿線は、品川区ではなく港区であるとご指摘をいただきました。お詫びして訂正いたします。人口のトレンドは、港区も品川区と似たような人口動態を示す見込みです。

<懸念点>

 事業を進めるにあたり、以下の懸念点があります。

・事業主体が未決定。

・地元(港区)の積極的な活動がない。

・沿線人口の減少が黒字化前に始まる恐れがある。

<まとめ>

 事業性もあり着工して良い路線ですが、地元の盛り上がりが欠けており、着工が見通せない路線です。沿線人口の減少が予測されるため、着工が遅れると将来凍結対象になる可能性も出てくると考えています。

―以上―

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