今回は、埼玉県の花園ICから山梨県の新山梨環状道路に設置される桜井JCTまでをつなぐ西関東連絡道路について検討しました。この道路は、国道140号線の一部を構成する路線です。
<結論>
建設不要。高速普通時の迂回路以上の能力はない。
<ルート位置関係>
西関東連絡道路は埼玉県の関越自動車道花園ICから秩父を通り、雁坂トンネルで県境を越え、山梨県の新山梨環状道路に設置予定の桜井JCTをつなぐ路線で、国道140号線の一部です。埼玉県と山梨県をつなぐ唯一の道路で、1998年に西関東連絡道路の一部である雁坂トンネルが開通したことにより、県境を車で往来することが可能となりました。
<ルート詳細>
全長:約110km
最高速度:60km/h(一部区間を除く)
・花園ICから皆野寄居バイパスまで:現道活用4車線(最高速度60km/h)
・皆野寄居バイパス:暫定2車線(最高速度60km/h:4車線完成時は80km/h)
・皆野秩父バイパス:暫定2車線(最高速度60km/h)
・秩父小鹿野バイパス:調査中2車線(最高速度60km/h)
・秩父小鹿野バイパスから雁坂トンネルまで:調査中2車線(最高速度60km/h)
大滝トンネルのみ着工済み。
・雁坂トンネル道路:完成2車線(最高速度40km/h)
・雁坂トンネル道路から広瀬湖付近:現道活用2車線(最高速度50km/h)
・広瀬湖付近から三富付近:調査中(一部登坂車線が完成)
・三富付近から甲府山梨道路まで:現道活用2車線(最高速度50km/h)
・甲府山梨道路Ⅱ期区間:完成2車線(最高速度60km/h)
・甲府山梨道路Ⅰ期区間:暫定2車線(最高速度60km/h:4車線完成時は80km/h)
<高速道路との比較>
甲府市役所から花園ICまで走行した場合の比較。
距離:約110km(高速道路経由:約150km)
時間:約2.5時間→完成時約2時間(高速道路経由:約2時間)
料金:1,160円→普通車(高速道路経由:3,930円、休日ETC 3,250円)
走行性:高速道路に比べて悪い。(山岳地系のためカーブ等多く、雪害にも弱い。)
耐災害:高速道路に比べて悪い。(2019年台風19号被災時復旧は高速道路より遅い。)
現状、通行料金以外にメリットはない。
<まとめ>
走行性能、耐災害性は高速道路より劣り、全線完成しても到着時間は高速道路とほぼ変わらない。よって計画中の路線が全線完成しても、高速渋滞時の迂回路又は走行性を犠牲にして道路料金を安くませたい時の利用に限られる。
以上のことから、建設効果を出すのであれば高速道路規格での建設が望ましく、それができないのであれば、建設する意味はないと考えます。
―以上―
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