今回は、本州四国連絡橋にある新幹線用の設備について検討しました。
<結論>
スペックが低く、利用価値は低い。
<本州四国連絡橋の当初計画>
1973年の工事基本計画による。
・神戸⇔鳴門間 鉄道および道路
・児島⇔坂出間 鉄道および道路
・尾道⇔今治間 道路のみ
<本州四国連絡橋の現状>
2006年の全線供用時。
・神戸⇔鳴門間 道路のみ
大鳴門橋に新幹線スペースが造られたが、明石海峡大橋は新幹線スペース無し。
・児島⇔坂出間 鉄道および道路
新幹線用のスペースがある。
・尾道⇔今治間 道路のみ
<本州四国連絡橋の新幹線用設備概略>
・大鳴門橋(スペースのみ)
鉄道荷重:単線載荷⇒橋上のすれ違い不可。(1編成分の重みしか耐えられない。)
鉄道部分の利用に必要な工事
→既設歩道の撤去。計画中のサイクリングロードを設けた場合はそれも撤去。
→鉄道路線を支える部分の桁の取り換えが必要。
(初期投資削減のため削減のため強度の低い部材を使用。)
→新幹線鉄道設備の新設。
・瀬戸大橋
現状:在来線のみ使用(東西の鉄道スペースに在来線をバランスよく配置)
将来計画;在来線を東側に上下2路線、新幹線を西側に上下2路線配置予定。
設計速度:在来線→120km/h、新幹線→160km/h
鉄道荷重:1,400ton×2(橋上でのすれ違い可能。)
鉄道部分の利用に必要な工事
→在来線の移設。
→新幹線鉄道設備の新設。
<まとめ>
・大鳴門橋の新幹線スペースの利用
→新幹線敷設には多くの工事が必要。
→単線載荷のため、自由度の高い鉄道ダイヤが組めない。
・瀬戸大橋の新幹線スペースの利用
→設計速度が現在の新幹線からかい離しているため、利用価値は低い。
→橋の距離が長いため、新幹線用設備の敷設に多額の費用が必要になる恐れ。
以上の結果から、本州四国連絡橋に残された新幹線用設備の利用価値は低いと考えています。
―以上―
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