今回は四国新幹線について四国新幹線整備促進期成会の調査結果を基に検討しました。
<結論>
費用対効果が低く、今の考え方では建設不可。
<基本計画ルート>
四国新幹線は下記の2路線が計画されています。
(その1):四国新幹線と呼ばれる路線で下記の内容で計画されています。
ルート:大阪市⇔徳島市⇔高松市⇔松山市⇔大分市
基本計画決定:1973年
特徴:紀淡海峡をトンネルか橋又は明石海峡をトンネルで抜ける。
鳴門大橋には新幹線を通すスペースあり。
豊予海峡紀淡海峡をトンネルか橋で通過する。
(その2):四国横断新幹線と呼ばれる路線で下記の内容で計画されています。
ルート:岡山市⇔高知市
基本計画決定:1973年
特徴:瀬戸内海を瀬戸大橋で抜ける。瀬戸大橋に新幹線を通すスペースあり。
児島駅と宇多津駅には新幹線駅を建設するスペースあり。
<ケーススタディー>四国新幹線整備促進期成会調べ
下記の3ルートが検討されています。
(ルート1:上記その1と同じ)
ルート:大阪市⇔徳島市⇔高松市⇔松山市⇔大分市
整備総延長:477km
事業費:4.02兆円
新大阪までの所要時間:徳島駅40分(▲133分)高松駅61分(▲ 43分)
松山駅98分(▲112分)高知駅199分(変化なし)
B/C:0.31
特徴:海峡部分は海底トンネルを想定
(ルート2:上記その2と同じ)
ルート:岡山市⇔高知市
整備総延長:143km
事業費:0.73兆円
新大阪までの所要時間:徳島駅148分(▲ 25分)高松駅88分(▲ 16分)
松山駅193分(▲ 17分)高知駅92分(▲103分)
B/C:0.59
特徴:山陽新幹線への乗り入れを想定
(ルート3:ルート1と2を足し合わせ、海峡部を除いたもの)
ルート:岡山市⇔高知市、徳島市⇔高松市⇔松山市
整備総延長:302km
事業費:1.57兆円
新大阪までの所要時間:徳島駅95分(▲ 78分)高松駅75分(▲ 29分)
松山駅98分(▲112分)高知駅91分(▲104分)
B/C:1.03
特徴:山陽新幹線への乗り入れを想定
将来的な海峡部分の整備により、山陽新幹線の代替経路を確保
<まとめ>
最近着工された整備新幹線は、B/C(費用便益比)が1.1以上であり、現在検討されている四国新幹線はルート3のB/Cが最大で1.03となっており、低い水準です。そのため、すんなり着工に進める状況にはないと考えています。着工に進むには、政治力を働かせるか他の案をひねり出す等の必要がありそうです。
―以上―
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